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小さな魔法

ワールドカップでのゴール数は、試合数が64試合となった98年フランス大会以降年々減少してきて、今回の南アフリカ大会が98年以降では最少の145ゴールでした。
しかし、もちろんそれでも素晴らしいゴールはあります。

今大会で私がすぐに思い浮かべるスーパーなゴールもいくつかありまして、ランパードの幻となった(誤審判定でノーゴール)ミドルを別にしても、
ガーナのムンタリがウルグアイ戦でゴール右隅に見事決めた低弾道のロングや、メキシコ戦でテベスがバイタルエリアから決めたミドルなど、あまり日本では見られないような強烈なシュートがありました。

大会中、他の国の試合を見ていて度々感じたのはシュートを含むキックの強さです。
これはJリーグを見ていても感じることなのですが、日本人はどうも海外の強豪と言われているリーグと比べてパスやシュートのスピードがゆるい=キックが弱いのではないでしょうか。

それはそのまま受け手であるレシーバーのトラップの精度につながります。
トラップが下手だからパスが弱いのか、パスが弱いからトラップが上達しないのか。
昔のJリーグや代表のVTRを見ると現在の日本はあらゆる面でサッカーが上達していて驚くのですが、
もっとキックの強さ、トラップの精度を上げる練習をした方が良いのではないでしょうか。
本田圭佑を除けば、日本最後の試合となったパラグアイ戦で途中出場した中村憲剛にだけ、唯一その意識を感じることができたのではありますが…。

いやいや、今回書きたいのはそれではありません。
今大会のゴールのうち、私がもっとも印象に残ったゴールは、北朝鮮戦で見せたブラジルのマイコンの放ったシュートでした。
右サイドを駆け上がり、そのままのスピードでボールアウトするギリギリ、つまりほとんど角度のないところからのシュート。

ボールの軌道を見るとニアポストを巻くように曲がってゴールマウスに吸い込まれていきます。
その後、何人かのサッカー解説者が「アウトにかけた見事なシュート」と言っていたのを聞きましたが、
キックの瞬間をスーパースローで見ると、アウトにはかけていないのがわかります。
インパクトはトゥとインフロントの中間のように見えて、瞬間、足首がブレています。
「あの態勢からアウトにかけられるわけがないのではないか?」
私はあのシュートを見た時からずっとそう思い続けてきました。
そしてひとつの仮説に思い至ったのです。

それは昨年のナビスコカップ鹿島戦で見せた川崎のジュニーニョのシュートです。
あのシュートも、マイコンよりは距離が近かったとはいえ、ゴール右のあまり角度のないところからのシュートで、ゴールが決まった瞬間は記者席から遠かったこともあり、何が起きたのかすぐには理解できませんでした。
何より、あの位置からシュートを選択するとは予想していませんでしたし、それがゴールするとはなおさら考えられませんでした。
しかしボールは確かにネットを揺らしたのです。
ゴールしたことがわかると、私は思わず立ち上がり「すげーっ!」と叫んでしまったのを覚えています。

ジュニーニョは試合後「あれは3本指のシュート」だと言っていました。
ブラジルにはそういう種類のキックがあるのでしょう。
つまり、アウトにかけてボールをこするようにキックするのではなく、フォロースルーはまっすぐで、スパイクの中だけで処理してしまうキックのことです。
ボールに当たるのは指3本。
ちょっとした魔法のようなシュートです。


7月14日に行われた川崎-大宮(等々力スタジアム)のハーフタイム。
この日、怪我で試合を回避したジュニーニョとたまたま階段で一緒になりました。
その時、思いきってゆっくりとした日本語で聞いてみたのです。
「ブラジルのマイコンが北朝鮮との試合で決めたゴールは、ジュニが去年鹿島との試合で決めた“3本指のシュート”と同じ?」

ジュニーニョは立ち止まってこう言いました。
「そう、同じ。あれ同じ」と。
しかも満面の笑顔。
ジュニーニョは小顔でとても端正な顔立ちをしています。
私も自然と笑顔になり「やっぱり。ありがとう!」と返しました。

私の胸の奥につっかえていたものがスーっと胃の腑に落ちていくのがわかりました。


皆さんもどうか覚えておいて下さい。

“3本指のシュート”

小さな魔法のようなシュートなんです。



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