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  浦和レッズのホーム試合で起こったこと


もうインターネットどころか各種新聞やテレビ・ラジオでも話題になっているし、海外メディアでも取り上げられたことだけど、3月8日(土)に行われたJ1リーグ第2節 浦和レッズ vs サガン鳥栖 (埼玉スタジアム/16時キックオフ)で、試合中にホーム側ゴール裏コンコースからスタンドに向かう209ゲートに「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕が掲示された件について、私の知っていることを記しておく。


この件については浦和レッズが3月8日付けで第1報を、翌9日付けで第2報を公式サイトにリリースしている。

私が3月10日に浦和関係者から聞いた話は以下の通り。

「掲示した人間は事前に(どの時点を指しているのかは不明)クラブの人間と話し合った際、あの横断幕の意図を説明している。その意図というのは、この何年かゴール裏に海外からの観光客が増えていて、そういう人たちが試合中に写真を撮ったり、応援とは関係のない行動を取ったりしていて、ゴール裏に一体感を作りだしたいサポーターと何度か小さなトラブルになっていた。それで今年はそういうトラブルを未然に防ぎたいという思いがあったということだった。『海外からの観光客』というのはアジアの人間ではなく、主に英語圏の人たち。だから横断幕も英語表記にした。当然、選手に向けたものではなかったし、決して差別的な意図でもなかったとのこと」。

上記の話をそのまま信じるならば、横断幕を作成・掲示した者としては、ゴール裏209ゲートを、熱烈にチームをサポートする者だけにしたくて、トラブルのないようにあのような文言にしたということになる。


私の見解を述べる。
どのような意図であれ、あの文言はアウトだ。言い訳は通用しない。
もし本当に上記のような意図であったならば、それに見合った適切な文言は他にいくらでもあった。
横断幕を作成・掲示した人間にも、話を聞いてそれを容認したというクラブの人間にも、あまりにも想像力がなさ過ぎたし、世の中の動きにも鈍感過ぎた。
日本でも海外でも、スポーツの場であってもそうでなくても、あのような文言を「人種差別」と捉えない人間は居場所がなくなって当然だ。
あの文言がなぜ人種差別にあたるのか、人種差別がなぜいけないのかといった説明を受けなければわからないような人間は、もう居場所がないと知っておくべきだし、今回のように実行してしまったならば厳しい処分が待っていることを覚悟しておいた方がいい。

だが、そのこととは別に、コアサポーター(熱狂的な応援をする者)のゾーンを指定し、トラブルを未然に防ごうという考え方には一定の理がある。
毎回不特定多数が密集して、精神的に高揚する場所であることから、そこにはどうしても一定の秩序が必要になるし、そのための共通理解も必要になる。
公式にそういった場所を指定しているクラブもあるし、クラブとサポーターが話し合い、クラブが公認するという形でそういう場所を作っているところもある。
また、浦和のゴール裏では、Jリーグが人種差別的な発言に対して厳しく対処するというシーズン前の発表を受けて、開幕の場となったアウェイ万博記念競技場で「人種差別的な野次は絶対にやめよう」との申し合わせがなされたとも聞く。
にもかかわらず「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕は貼り出されてしまった。
意図ではなく、事実としてその責任は重い。



上記の見解を前提として、私にはいくつかの疑問点がある。

まず、横断幕を作成・掲示した者に事情聴取を済ませたクラブは、なぜその意図を明らかにした上での報告・謝罪をしなかったのか。
報道にあるように「(当事者に)差別の意図はなかった」と(クラブが)いうのなら、どういう意図であったのかを早急に明らかにするべきだった。
それによって免罪されることはないにせよ、昨今の情報の拡散力とスピードを考えるならば、浦和レッズ・Jリーグ・日本サッカー・日本に与える影響には多少なりとも違いがあったのではないかと私は思う。

次に、試合終了後4時間ほどで横断幕の件をtweetした槙野智章選手のことである。
彼のtweetにはネット上で見つけたであろう横断幕の画像を添付した上で「このチームで闘う選手に対してこれはない」「選手とサポーターが一つになれないし、結果も出ない」とある。

なぜゲートに掲示してあった横断幕の画像を見て、あのメッセージが選手に向けられたものだと思ったのだろうか?
ピッチに向けたものだと勘違いしたということなのだろうか?
また、「結果も出ない」というのはどういうことなのだろう?
彼は試合前ではなく、試合後にあの画像を見つけたはずだ。
あの横断幕画像のメッセージを知る前に試合は負けて終了していたのではないか?
槙野選手だってあのような内容のtweetがどれだけデリケートで重大な内容なのかは理解していただろう。
軽い気持ちでtweetしたものではなかったはずだ。
それならばなぜクラブスタッフにひと言、どういうことなのかと確認しなかったのか。
それとも確認はしたけれど、答えたスタッフは何も知らなかったということなのだろうか。
その辺がよくわからない。
だが、あの横断幕が先述の通りの意図で掲示されたのだと知らされていたならば、槙野選手の感慨は違ったものになっていたはずだ。
サッカーの場において、サポーターが選手を、選手がサポーターを信じられないという事態になれば、それはとても不幸なことだ。

そして最後の疑問もまたクラブの対応についてだ。
私が聞いた上記の話では、横断幕の作成・掲示者は「事前にクラブの人間と話し合った際、あの横断幕の意図を説明している」ということだった。
「事前」というのが試合前のことなのか、あるいは試合中にクレームがあって話した時のことなのかはわからないが、それが事実ならばクラブの対応は明らかにまずい。
サポーターにしてみれば「クラブが容認したから貼ったんじゃないか」ということになる。
指摘(クレーム)があった後も撤去せず、試合後にようやく撤去したことをクラブは認めている。
これはクラブが容認したということにほかならない。
そして9日に第2報を出して以降、現在まで公式には何も情報をリリースしていない。
11日13時の時点でクラブの広報担当者は次のクラブ公式コメントについて「今日とか明日とかという話ではまだお伝えできません」と私に話している。
いろいろと調査をしているのだろうということはよくわかる。広報担当者もそう言っていた。
だがあまりにもスピード感がなさすぎではないか?
情報渦巻くネット社会の現代において、情報のないまま時間が経過することは、事態を軽視していると見られかねない。
それは、件(くだん)の横断幕を放置していたことと似てはいないだろうか?
結果は出せずとも、経過をこまめに報告するべきなのだ。一日に2回でも3回でも。
そういう事態なのだ、今は。


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今回の件は浦和レッズを舞台にして起こったことだが、他のクラブ・団体も関係ないと思わない方がいい。
人種差別にあたることは他でも起こっている。
公になっていないだけだ。それに対して明らかな隠蔽もある。
また、人種差別ではない、サッカー界を舞台とした不正も起こっている。
当事者は決して口にしないだろうけど、今回の件で内心ヒヤヒヤしているのは何も浦和の人間だけではないはずだ。

今はマスコミ媒体を使わずとも、インターネットを介すればこうしていくらでも情報発信はできる。
体裁を取り繕ったり、立場を利用して恫喝まがいのことで口封じをしたつもりでいても、いつか必ず情報は表に出ると考えた方がいい。
それを見越して根本的な対処をしなければ、いずれブーメランとなって突き刺さるのは自分たちだ。
見過ごせない、よくない状況があるのならば、リーグもクラブもサポーターも関係メディアも、関わる誰もが一緒になって本気でそれを改善しようとしなければ、表面上では見えなくなっても根はどんどん深くに広がっていくばかりだ。


今後のクラブの動きと、Jリーグの裁定を注視したい。
この件の対応が、あらゆる差別における今後の日本サッカー界の基準を作ることになる。






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